合成床版(KT-スラブ)
概要
合成床版(KT-スラブ)とは
合成床版は、底鋼板と床版コンクリートをずれ止めにより一体化させた床版であり、現在までに多くの種類の合成床版が開発されています。
KT-スラブは、過去に多くの施工実績を持つトラス型ジベル合成床版(開発:川崎重工(株))で培った技術とノウハウを活かし、川崎重工(株)と巴コーポレーションにより共同開発されました。
KT-スラブは既住のトラス型ジベル合成床版に比べ、飛躍的に製作・施工性およびコストパフォーマンスを向上させた、新型の合成床版として生まれ変わりました。
特長
- パネル重量比の軽減 : 75%
- コストの縮減 : 80%
- 剪断バネ : 8.5N~13.5N/mm/mm2
- 構造パネルのシンプル化:底鋼板と孔あきT型リブを主材料とする。
構造
KT-スラブで使用する鋼材は、底鋼板と孔あきT型リブで構成され、KT-スラブ概要図に示す構図となっています。
孔あき鋼板ジベルがずれ止め機能を発揮し、鋼とコンクリートとの確実な一体化が図れます。また、この孔はコンクリート打設時の空気抜き孔としても機能し、フランジ下面のボイドを低減する事が出来ます。
底鋼板は、床版としての主鉄筋および配力鉄筋と、コンクリート打設時の型枠の役目を兼ね備えています。
性能試験
押し抜きせん断試験
せん断耐力は、孔明き鋼板ジベルのずれ止めせん耐力計算式を用いることで検証できます。
(降伏せん断力 Qy=0.90・d2・σc・n)
輸荷重走行試験
H8道示RC床版、ポステンPCと比較し相対的に優れた耐久性があることが確認できました。
- 392kN[40tf]で走行回数52万回
- ポストテンションPRC床版の同試験結果(残留たわみ等)の50%以下
静的耐荷力試験
P-σ曲線から、孔あき鋼板ジベルによるコンクリートとの合成効果が十分であることが確認できました。また、コンクリート圧縮より先に底鋼板が降伏し、圧壊まで靭性に富んだ挙動を示していることが確認できました。
ひび割れ分散確認試験
ひび割れ幅は0.2mm程度であり、またそのひび割れ分散効果も確認できました。